新内科専門医試験の勉強法(2023年2月23日更新)
今日は番外編です。
新内科専門医制度が始まり、昨年2回目となる試験がありました。
私は2期生なので昨年受験しました。全科目平均以上、全体で80%以上の得点率でした。
試験前には勉強法をTwitterやブログでよく調べていたので、後輩の参考になればと思いこちらで書いてみます。
まずはおすすめの教材について。
おすすめ度 ★★★
イヤーノート 2024 内科・外科編
学生時代に使っていた方も多いと思いますが、古いやつではなく最新版を買うのをおすすめします。
毎年3月に発売されます。購入してから本格的に試験勉強を開始する方針で間に合うと思います。
(2021年は7月、2022年は5月と試験日がけっこう違っていたので、内科学会のホームページで早めに試験日を確認しておいた方が良いです。)
※追記 今年の試験日は、2023年6月4日でした。
最新版がおすすめな理由は、以下の2つです。
① 公式の過去問題集が古い
医師国家試験の過去問と異なり、内科学会の公式過去問題集は毎年刊行されているわけではありません。その他の内科専門医向けの問題集も同様です。
毎年更新されているガイドラインもありますし、問題によっては出題時と答えが変わっている可能性があります。
学会によっては最新のガイドラインが無料で閲覧できないものもあります。
最新版のyear noteがあると大きな時間の節約になります。
② 内科系専門医試験 Quick Checkも更新されている
試験対策として、付録のQuick Checkは絶対やった方が良いです。周りの人もほぼやっていました。
相当な暇人と思われるかもしれませんが、数年分のQuick Checkの内容と問題数を比べてみました。
第1回目の新内科専門医試験で出題されてネット上で難問と言われていた問題が、翌年のQuick Checkには新たに掲載されていました。前年の内科専門医試験の内容を踏まえて毎年更新されているものと思われます。
Quick Checkの問題数、ページ数に関しては毎年増えているわけではなく、むしろ徐々に減っています。重要ではないものが削られて洗練されているのでしょう。
値段は高いですが、試験後は使わないというのであればネットオークション等で売れば良いと思います。発売から数ヶ月であれば、かなり高く売られていますよ。
おすすめ度 ★★★
日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門医試験/過去問題集 第2集
これも皆やっていると思います。
第1集と異なり、解説がついています。そんなに充実した解説ではないですが、あるとないでは大違いです。
最新版でも2018年度のものなので、year noteなどで最新の情報を確認しましょう。
https://www.naika.or.jp/journal/shoseki/kakomon/
おすすめ度 ★★☆
日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門医試験/過去問題集 第1集
こちらには解説がありません。臨床問題の診断名も書いていません。
これを5,000円で売っているのはちょっとどうかと思いますね。
内科学会の会員であれば、さらに古い過去問なら無料で見られるので、それでも良いかもしれません。
おすすめ度 ★★☆
生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説(第4集)
あまりやっている人はいなかったかもしれません。
過去問と異なり、問題の解説がかなり充実しています。1問の解説に1ページ使われています。
こちらも最新版で2018年発行なので、適宜最新の情報を確認しましょう。
時間があればという感じです。
おすすめ度 ★☆☆
CareNeTV
ビデオ講座です。試しに入会してみました。
役立つ講義もあるのでしょうが、内科専門医試験対策としては微妙だと思います。
医師国家試験対策のMEC、TECOM、Medu4のようなクオリティは期待しない方が良いです。
内科専門医試験対策とされている動画は以下のものです。
・長門流 内科専門医試験出るズバッ!LIVE
・内科専門医試験 バーチャル模試
→ 試験対策になるとは思いますが、ただの問題の羅列であり、過去問やQuick Checkをやっている人は不要だと思います。あと更新ペースが遅いので、第1回から最終回まで数ヶ月かかります。月額費用がかかるので、入会するタイミングを考えた方が良いです。
・THE内科専門医問題集“見るラヂオ”
→ THE内科専門医問題集自体がそこまで「試験対策」ということに重点を置いていないようです。まあ二人の仲は良いんだろうなと思いました。
・総合内科専門医試験 オールスターレクチャー
→ 講師陣によってわかりやすさと試験対策への意識に差があります。分かりやすく、かつ過去問等を確認して試験対策について考えているなと思う先生は少ないです。
実際の勉強法としては……
3月に最新版のイヤーノートを購入
→ Quick Checkを覚えるまで繰り返しつつ、内科学会の過去問題集を進めていく
というのが一番良いのではないかなと思います。
ただ昨年の試験後は有志による試験問題の復元が行われていて、探せばかなり精度の高い復元問題が見つかると思います。
早めに勉強を始めたい人は、早めにイヤーノートを購入し、最新問題は復元問題で対応でも良いかもしれません。
今までの進級試験や国家試験と違って、落ちてもあまりデメリットは大きくないと思うんですよね(サブスペ専門医を取るのが1年遅れるのと受験料くらい?)。働き方は変わらないですし。
なので、あまり気負わず、無理せずに頑張ってくださいね。